2014年09月26日

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014」。
何しろスタートが早い。10:30開場で開演が12:00なのだ。
11:30頃に会場に着く。チケットを立派なリストバンドに交換してもらって、場外の飲食ブースで、ケバブサンドとビール。ビール1杯買うのに延々45分も並んで、トップバッターのトミ・レブレロを聴きのがすという不覚。
会場は前方半分がスタンディングゾーンになっている。後方のレジャーシートが広げられる場所はとっくに埋まっていた。で、スタンディングゾーンの下手後方の芝生に座って聴く。(まわりは誰も立っていない)

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜
立派なリストバンド。思わず強く締め過ぎてしまう

自分の場所を確保してビールを飲み始めた頃、岸田繁さんとサラーム海上さんのトークが始まった。今日出演する4組の海外アーティストについての解説。リスペクトと音楽愛に溢れたダイアローグ。キュレーター的な立場にいるお二人の、わかりやすい解説と音楽に対する愛と熱が会場にも自然と広がっていくようだ。くるりのファンは幸せだと思う。かつて佐野元春さんがロックへの扉を開いてくれたように、THE BOOMの宮沢和史さんが、沖縄音楽やブラジル音楽に沢山の人を導いたように、岸田さんが新しい世代にワールドミュージックへの扉を開いてくれている部分は確実にあると思う。素晴しい音楽に触れると、自然にそこを掘り下げていきたくなるものだ。

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜

レバノンのエキゾチックな美人シンガー、ヤスミン・ハムダンさんやイギリス出身で、トラヴェラーズ(漂泊民)の伝承歌をうたうサム・リーさん。このあたりはヨーロッパのワールドミュージックのフェスでもなかなか聴けないような贅沢なセレクトだなぁ。サムさんは琴や三味線といった和楽器を取り入れていた。海外での沖縄音楽の理解と普及ということを考えると、彼のようなアーティストに三線をプレゼントするというアイデアは悪くないと思う。
こういう質は高いのにコマーシャルではない音楽を、世間にどういう風に紹介していけばいいのかというのは、常に大きな課題だ。本当の意味で根づかせるにはどういう風に常に情報を発信していけばいいのか。生の演奏を聴くとその魅力は多くの人に伝播していくはずなのだが。

tofubeats。今年の春、沖縄での音楽産業シンポジウムに来てもらったにも関わらず、非常に不勉強だったのだが、私はまさか彼が自ら歌うとは知らなかった。(ごめんなさい)てっきり、トラックメイカー&DJだと思い込んでいたのだ。でも1万2000人の観客を前にしても堂々としたパフォーマンスで、多くの観客を踊らせていた。近くを通り過ぎた若い観客が「ようやくフェスらしくなってきた!」なんていうことを話していた。tofubeatsさんの途中で、次の椎名林檎さんの観客が続々とスタンディングゾーンに集まり出したので、一旦場外に避難する。タワレコの出店でなんとなく手にとったサラーム海上さんの「21世紀中東音楽ジャーナル」を買う。再び同じポジションに戻ると、すっかりスタンディング状態で人口密度も高くなっていた。

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜

これだけ世界の実力派のルーツミュージック系のアーティストにはさまれて椎名林檎さんが、どういうパフォーマンスをするのか非常に興味があった。バンドは弦楽カルテットとアコーディオン、ピアノという6人編成。浴衣を着た艶やかなお姿で登場し、かなりしっとりとした雰囲気で聴かせてくれた。
途中ゲストで“This is Japan”って感じの歌い手、石川さゆりさんが登場したのだが、それは林檎さん自身が今回の「音博」の中での立ち位置をきちんと理解した上で招いたのかもしれないと感じた。今回これだけワールド色が強いラインナップだと、(推測だけど)ある種の“日本代表”的な意識が働いたのかもしれないと感じたのだ。でも、だからすごくこのイベントにもぴったりとフィットしてかつ、椎名林檎としての強い個性もきちんと披露できてしまう。ほんとにお見事でした。

椎名林檎さん目当てのお客さんの波が引いた頃、ZEPP Nambaの支配人、森健司さんにばったり会う。ソニー時代はjimamaさんの担当で、一緒に沖縄のコンピレーションアルバムを作ったことがある。近況を話していたところに、Smash の岩井さん(8月末に渋谷クアトロでeastern youthの「極東最前線」の時に会ったばかり)一家、さらに、福島県相馬市のモリタミュージックの森田さん(来月、相馬のスーパーの会議室でくるりのライブをやるそうです)に会う。1万2000人もお客さんがいる中でこんなに知り合いに会える偶然、すごいなぁ。

ペンギン・カフェ。とても楽しいパフォーマンスでした。ケルトやジプシー。ヨーロッパの民族音楽がうまくブレンドされていて、実にオリジナリティ豊かで洒落た音楽に仕上げられている。例えば、タラフ・ドゥ・ハイドゥークスのような泥臭さはないんだけど、もう流石って感じ。短いパフォーマンスだったけど、すっかりその世界に引きずり込まれました。

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜
終演後、ぼんやり客出しの風景を眺めていたら、ほぼ最後の客に。1万2000人が一瞬でもぬけの殻になってしまうという不思議

最後は、くるり。ライブを聴いたのは初めてでした。沖縄にはなかなか来てくれないからね。さほど長いセットではなかったけど、凝縮されたステージでの存在感は抜群でした。そして待望の「Liberty & Gravity」。この曲の時に会場で流れたザワついた空気感。「音博」ではあまりやったことがないという「東京」。アンコールの最後メンバー3人だけで披露された「宿はなし」、感動的でした。
岸田さんはステージ上で大きなヘッドフォンしてたけど、アレ新しいタイプのイヤモニなのかな?
以下は、どこかのサイトで拾ったセットリストです。

01.2034
02.日本海
03.Brose&Butter
04.Liberty&Gravity
05.TIME
06.三日月
07.ジュビリー
08.グッドモーニング
09.loveless
10.東京
EC1.There is (always light)
EC2.宿はなし


それにしても、これだけ新しい音楽に出会えるフェスってそうそうないんじゃないかな。あまり忙しい感じもなくて、すごく居心地がよかったな。

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜
「大とら」のお好み焼き&焼きそば、4人前

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜
@磔磔

京都音楽博覧会 in梅小路公園2014〜新しい音楽への扉〜
@磔磔

終演後、ZEPP Nambaの支配人森さんと合流し、関西の大手イベンターの社長氏らと、おばぁが一人で切り盛りするお好み焼き屋「大とら」へ。さらにその後、The Privatesライブ終演後の「磔磔」へ。昨夜、タテさん、村松さんと話してた代表の水島さんにも会えた!水島さんが同じ長崎出身で2度びっくり。様々な音楽の記憶がこびりついたバックステージツアーもさせていただく。いろいろな人に聞いてきた「磔磔」マジックみたいなことを少しだけ感じられたような気がした。京都、とりあえず来てよかった。


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Posted by ryujinoda at 09:57│Comments(0)Live
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