2014年11月16日

Notes from Fukuoka 〜 HEATWAVE TOUR 2014『Don't Look Back』


Notes from Fukuoka 〜 HEATWAVE TOUR 2014『Dont Look Back』
着陸直前、奇跡のような“天使の梯子”が海と空を結ぶ

台風の影響で沖縄でのライブがとんだ後の10月中旬、HEATWAVEの山口洋さんからメールをいただいた。

(以下、引用)
 相談す。
 新しいバンドのアルバムの宣伝について考えてたんだけど。
(来週末には音源完成すると思います)
(中略)
 簡素な特設サイトになると思うけど、そこにパブリックなインタビ ューとして、永遠に残る形で4~5回に分けて、野田くんにやっても らうのがいちばんいいのではないかと思って。
(引用、終わり)

ありがたくお引き受けさせていただくことにして、11月13日、福岡でのライブにあわせて出かけることにした。そんなわけでまだ旅は続いている。。

Notes from Fukuoka 〜 HEATWAVE TOUR 2014『Dont Look Back』
@福岡国際センター。あの夜、尾崎は最後に弾き語りで『僕が僕であるために』を歌った

会場のDrum-Be1に向かう前に、福岡国際センターに寄り道して、大相撲九州場所の5日目を観戦。天井桟敷のいす席に座って会場を見渡した時、かつてここで尾崎豊のライブを聴いたことを思い出した。
大相撲観戦は小学校の頃の佐世保巡業以来。あのときはまだ北の湖と輪島が東西の横綱で張り合っていた時代だった。久々の大相撲にはいろいろと感じることもあったけど、割愛。

親不孝通りの奥にあるライブハウスBe-1。ここのところHEATWAVEが福岡でのホームにしている会場だ。スタンディングでもいいかなぁと思いつつ、案内された2Fの関係者席へ。平日にも関わらず、会場はフルハウス。客の年齢層は随分高め。

Notes from Fukuoka 〜 HEATWAVE TOUR 2014『Dont Look Back』
19:30開演。会社勤めの人にとってはありがたい

今回のライブは、大阪〜福岡〜東京と回る3本のツアーの中日。
HEATWAVEとしては7年ぶりとなるアルバム『夕陽へのファンファーレ』。そのリリースツアーになる予定だったのが、アルバムの完成が遅れ(納品が初日の大阪の前日)て、セットリストが大幅に書き換えられたと聞いた。しかし、新旧の楽曲にカバー曲を織り交ぜたセットリストは新鮮だった。

アルバム『夕陽へのファンファーレ』から演奏されたのは5曲。今回のアルバムでHEATWAVE、山口洋が一貫して言わんとしているメッセージは確実に客席に届いていたし、何よりライブとして楽しかった。細海魚さんのパフォーマンスが頭抜けてたな。ずっとバンドで聴きたかった曲も演ってくれたし。音は大きいのに言葉がきちんと届くのは心地いい。
  
にしても大相撲に、ロックンロール、どちらも瞬間の美学。
横綱白鵬の勝ちっぷりは美しく圧倒的で、HEATWAVEは、いまの時代と強烈に響きあうロックを描く。マジ素晴らしかった。

Notes from Fukuoka 〜 HEATWAVE TOUR 2014『Dont Look Back』
『夕陽へのファンファーレ』、売れて欲しい。
特設サイト→http://no-regrets.jp/heatwave/disc/2014/yuhi/index.html


“311”以降、山口洋が、どういう風に社会と対峙してきたのかということは、日々綴られるブログに記されてきた。その行間から伝わってくる苛立ちや葛藤、焦燥、そして何より明日への希望は、今回のアルバムにしっかりと刻まれている。時代の気分を音楽に反映させる、ジャーナルとして切り取る、それをエンターテインメントとして昇華させるということは、ロック・ミュージックの表現に向かう態度としてあるべき姿なのだ。

ブルース・スプリングスティーンが、“911” NY同時多発テロの後に発表したアルバム『The Rising』には、多くの人々が抱えた傷と、それを乗り越えて明日へと向かう希望が力強く歌われていた。HEATWAVEの『夕陽へのファンファーレ』もそれに近い位置づけなのだと感じる。深い閉塞感を抜け出すための拠り所、救済の場所として、この音楽がより多くの人に届くといいなぁと思う。(これは、『Sakurazaka ASYLUM』のコンセプトにもつながります)

翌日、福岡空港の『ロイヤル』で山口洋に話を聞かせてもらう。
ライブでも話していたけれど、キーワードは、“今を精一杯、そして丁寧に生きること”。精一杯生きるってことは誰もが考えることだと思うけど、丁寧に生きるっていうのは、確かにとても大切なこと。ロック・ミュージックからは遠くはなれた言葉にも聞こえてくるが、日々、雑に生きてる私には、ものすごく強く響いてきた。

インタビューは11月下旬からサイトに掲載予定です。


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Posted by ryujinoda at 01:42│Comments(0)LiveLive Review
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