2010年10月31日

うたは自由をめざす!

 辺野古ビーチで行われた「Peace Music Festa 2010」2日目に行ってきた。目当てはソウル・フラワー・ユニオン。
 随分前のことだが、一時期ものすごく入れあげたことがあって、何度か機会のあった中川敬さんのインタビューのときに、沖縄公演を直訴したり、東京の事務所に社長を訪ねて直談判したこともある。その頃は、東京や大阪でのライブに、年数回、それだけのために通ったものだ。その後、メンバーの伊丹英子さんが、沖縄に越してきて、バンドと沖縄との距離が縮まったことで、何となく熱も冷めたような気になっていた。実際彼らのライブを見たのは、一昨年の辺野古の「Peace Music Festa」以来だから、2年ぶりだった。

 タイムテーブルが公表されていなかったので(何となく後半だとはわかっていたが)、会場には結構早めに着いた。とりあえず、トイレに向かっていると、KEN子さんに、カーネーションの直枝さんを紹介された。今回は見られなかったのだが、以前から気になっていたバンド。これから何か新しいつながりができるといい。こういうのもフェスの面白いところ。

 会場は辺野古の村はずれの漁港のそばで、港と護岸で区切られた浜はとても穏やかだった。波打ち際で遊ぶ子供たちの向こうにある有刺鉄線がビーチを分断している。PeaceとWarを隔てるように、This is Okinawaって感じの、実に象徴的でリアルな風景が広がっている。そこに昨日と今日の2日間だけは音楽があふれている。文句のつけようのない素晴らしい、愛にふれた空間だった。
 直前にプロモーションの手伝いをお願いされて、いくつかのマスコミにコンタクトをとったのだが、反応は鈍かった。曰く「県知事選挙の前だから…」。それぞれがそれぞれの立場で仕事をしているのはわかっているし、大人の事情も理解しているのだが、なんだか残念に感じた。沖縄と音楽を愛している人が純粋な気持ちでつながって、移設予定地の浜で音楽を奏でるということをもう少しサポートして欲しかったな、背景に普天間基地の辺野古移設の問題があたっとしても…。

 で、ソウル・フラワー・ユニオン。畳み掛けるような7曲は圧倒的。やばかった。

<set list>
1.荒れ地にて
2.風の市
3.平和に生きる権利
4.満月の夕
5.うたは自由をめざす!
6.神頼みより安上がり
7.海行かば 山行かば 踊るかばね

 彼らの音楽からにじみ出る華やかな祝祭の風景と、恐ろしいほどの毒。私自身の“2年間の不在”をあざ笑うかのようなパフォーマンス。踊り狂う観客のうしろで凍りつき、頭の中が芯から活性化するような不思議な感覚を味わっていた。中川敬は、曲名とバンド名、メンバー名を連呼する以外は、一切MCなし(多分)。彼が言いたいことは、すべてその音楽の中にあったのだ。
 年末のツアーには行けないんだけど、ソウル・フラワーの熱が、再び襲ってきた…。

 


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Posted by ryujinoda at 21:59│Comments(0)Live
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