『ギターマダガスカル』、美しくしなやかな島嶼音楽。
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『ギターマダガスカル』という映画を一足先に試写。
インド洋に浮かぶマダガスカルの音楽のルーツを辿る旅を追ったドキュメンタリー。日本で製作された、亀井岳監督の作品。
以前、リスペクトレコードからタリカさんという女性アーティストの『ソウル・マカッサル』というアルバムが出たときに、本人にインタビューさせてもらったことがある。このアルバムのテーマは、マダガスカルとインドネシアの音楽的な繋がりを探ること。マダガスカルがインドネシアと繋がっているってことは、そのまま沖縄とも繋がってるわけだなぁなんて考えていた。
西アフリカの沖の大西洋上に、カボヴェルデという島国がある。ここの音楽も個性的で、西アフリカやブラジル、カリブ、ヨーロッパなどの影響を色濃く受けている。映画の舞台のマダガスカルもアフリカ、アラブ、インド、アジアの影響を色濃く受けている。沖縄の音楽にしても、中国、東南アジア、日本、さまざまな要素が凝縮されてオリジナリティが際立っている。島の音楽というのは、周囲の地域の影響をしなやかに取り込みながら成り立ってる部分が大きい。
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映画は、異なる部族に属する4人を軸に描かれる。不思議な形のギターが奏でる美しいメロディー、大地のエネルギーがそのまま伝染したような強烈なリズム。音楽の風景が色鮮やかに描かれていく。彼の地の音楽が土地の人々や暮らし、宗教と深く結びついていることが自然に浮かび上がる。
現地の人々との関係を構築し、その懐に飛び込んでカメラを回すというのは、様々な意味で大きなハードルが立ちふさがるはず。よくここまで撮れたなぁというのが正直な感想だ。
亀井監督は、この前に『チャンドマニ~モンゴルホーミーの源流へ』という、モンゴルの喉歌をテーマにしたドキュメンタリーを発表している。そうした土地の人とのコミュニケーション作りの、ある種の方法論を持ち合わせていたからこそできた仕事なのかもしれない。
それにしても、マダガスカル、色が美しい。一度行けたらいいな。。
◎『ギターマダガスカル』公式サイト
http://www.guitarmadagascar.com
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